深夜特急を読みました

沢木耕太郎深夜特急を読んでみました。珍夜特急を読んだことがあったので、そのもじりの元である旅行記界の金字塔、深夜特急を読んでみようと思い至りました。

 

深夜特急はインドのデリーから乗合バスでロンドンまで行くことを目的とした旅のお話。デリーに到達するまでに香港やマレー半島なども経由します。1980年代の作品なので、誰も携帯電話を持っていない、旅先で出会う人たちは皆カメラで撮ってもらうと喜ぶ(カメラが珍しい)、そもそも旅の終着点のロンドンでは電報を打つことを目標として出発するなど、情報としては現代には当てはまらないことが多々あります。読んでいると幾度となく今だったらこうなるよなあと考えたりしながら、その時代を感じることができて面白かったです。面白いのは各土地で出会った人々の描写や、なぜ旅をするのか自問しながら答えを探していく道中での心境の変化なので十分楽しめました。

 

特に「旅は人生のようだ」というフレーズが心に残りました。全ての景色や出来事が新鮮に映っていた人生でいう幼少期を過ぎて、それらが当たり前の物になってしまった時に、旅に何の意味を見出すのか。確かに大人になって人生を生きる今、何を目的に生きているか分からなくなる感情と似ていそうですね。珍夜特急でも「旅が日常のなってしまった」というような描写が度々出てきました。そのようなことに思考を巡らせた経験が自分の人生を生きる上での糧になるのでしょうね。

 

私も20代のうちに長旅をしてみたいな、などと考えてしまいました。